症例

足首の剥離骨折手術後に残った腫れ・こわばりと、片足立ちの不安定感が改善した症例

30代男性、パルクール・アクロバット指導者。前距腓靱帯付着部の剥離骨折手術後に残った右足関節の腫れ・痛み・拘縮と、片足立ちの不安定性に対して、3回の鍼灸施術を行った症例です。

患者さま

30代男性。パルクール・アクロバット教室で指導をされている方です。

普段は、ハムストリングス肉離れ後に残った不調に対する施術で通院されています。

過去に右足首を強く捻挫し、前距腓靱帯付着部の剥離骨折を受傷されました。その後、剥離した骨片をピンで固定する手術を受けられています。

今回は、剥離骨折術後に残った足関節拘縮と、片足立ちの不安定性に対して施術を行いました。

来院時の状態

手術後も右足関節周囲には腫れや痛みが残り、足首周辺の筋肉や軟部組織には強いこわばりがみられました。

炎症が起きている部位には、一般的に、

* 腫れ
* 痛み
* 熱感
* 赤み
* 動かしにくさ

などが現れます。これらは「炎症の五徴候」と呼ばれています。

今回の患者さまには、特に足首周囲の腫れや痛み、強い動かしにくさがみられました。

施術前は、足関節がほとんど動かないと感じるほど硬く、可動域が大きく制限されていました。

また、患側である右足で片足立ちをすると身体が大きく揺れ、足首で細かくバランスを調節することが難しい状態でした。

当院で確認した状態

右足関節周囲には、手術後の影響と考えられる腫れや痛み、筋肉・軟部組織の強い拘縮が残っていました。

しかし、片足立ちの不安定さは、足首の硬さだけで起こるものではありません。

足関節の動きが制限されると、

* 足裏から伝わる感覚
* 足首周囲の筋肉による姿勢調節
* 患側への体重のかけ方
* 膝や股関節との連動
* 体幹を含めた全身のバランス

にも影響します。

そのため、患部だけを見るのではなく、

* 足関節の可動域
* 足首・下腿部の筋緊張
* 足裏の接地状態
* 右足への荷重
* 膝や股関節との連動
* 片足立ち時の身体の揺れ
* 全身の緊張とバランス

まで確認したうえで、施術方針を組み立てました。

施術の考え方

当院では、炎症や痛みが現れている場所だけに施術を行うのではなく、まず身体全体の状態を確認し、全身を調整したうえで必要な部位へ施術を行います。

炎症が強く残る患部を直接強く刺激すると、かえって腫れや痛みが増す場合があります。

そのため今回は、右足関節の状態を確認しながら、患部へ過度な刺激を加えないよう注意しました。

同時に、足首と関係の深い下腿部、膝、股関節、体幹などを含めて全身を調整し、身体全体の緊張や荷重バランスを整えました。

患部以外の部位を適切に施術することで、足首周囲の筋肉や軟部組織が緩みやすくなり、患部への負担の軽減につながります。

その結果として、腫れや痛み、動かしにくさなどの炎症所見も軽減しやすくなると考えています。

そのうえで、足関節周囲にも状態に応じた局所施術を行い、関節の動きや安定性を妨げている筋肉・軟部組織へアプローチしました
全身調整と局所施術を、患部の炎症状態に合わせて適切に組み合わせることが、今回の施術の重要なポイントです。

施術は、3月18日・19日・23日の計3回行いました。

施術経過

1日目・3月18日

施術前

右足関節周囲には腫れや痛み、強いこわばりがあり、足首の可動域も大きく制限されていました。

患側の右足で片足立ちをすると、身体が大きく前後左右に揺れ、安定して立ち続けることが難しい状態でした。

【1日目・施術前の動画】
足首手術後の片足立ち|1日目・施術前

施術後

患部を強く刺激するのではなく、まず全身の緊張と荷重バランスを整えました。

そのうえで、右足関節周囲や下腿部など、足首の動きと関係する部位へ必要な施術を行いました。

1回目の施術後から、片足立ち時の身体の揺れが大きく減少しました。

施術前と比較して右足へ体重を乗せやすくなり、足裏で地面を捉えながら姿勢を保ちやすくなっていました。

初回の施術直後から、動画でも分かる程度の明確な変化が確認できました。

【1日目・施術後の動画】
足首手術後の片足立ち|1日目・施術後

2日目・3月19日

施術前

前日の施術後と比べると、足首周囲のこわばりや動かしにくさは軽減していました。

ただし、片足立ちではまだ細かな揺れが残り、患側で身体を安定して支える機能は十分ではありませんでした。

【2日目・施術前の動画】
足首手術後の片足立ち|2日目・施術前

施術後

1日目と同様に、全身の緊張や荷重バランスを整えたうえで、足関節周囲と下腿部を中心に施術しました。

施術後は、施術前よりも身体の揺れがさらに小さくなり、右足で姿勢を保ちやすくなりました。

足裏で地面を捉える感覚や、患側へ体重をかけた際の安定性にも変化がみられました。

【2日目・施術後の動画】
足首手術後の片足立ち|2日目・施術後

3日目・3月23日

3回目には、足関節周囲の腫れや痛み、筋肉・軟部組織のこわばりがさらに軽減していました。

施術前はほとんど動かないほど硬かった足首の可動域にも、明らかな改善が確認できました。

足首だけではなく、膝や股関節、体幹を含めた全身の連動を確認しながら施術を行いました。

施術後

片足立ち時の大きな揺れはほとんどみられなくなり、患側の右足で安定して立てる状態になりました。

足首周囲の筋肉を使って細かく姿勢を調節し、足裏で地面を捉えながら身体を支えられるようになっていました。

【3日目・施術後の動画】
足首手術後の片足立ち|3日目・施術後

まとめ

骨折や靱帯損傷に対する手術が終了しても、患部周囲に腫れや痛み、筋肉・軟部組織のこわばり、関節可動域の制限が残ることがあります。

骨や靱帯が修復されていても、足関節周囲の組織が硬く、足首を十分に使えない状態では、歩行や階段、片足立ち、スポーツ動作などに影響する可能性があります。

今回の症例では、炎症や痛みが残っている足首だけを強く刺激するのではなく、まず全身の緊張や荷重バランスを整えました。

そのうえで、患部の状態に配慮しながら、足関節周囲と関係する筋肉や軟部組織へ必要な施術を行いました。

その結果、1回目の施術直後から片足立ち時の身体の揺れが大きく減少しました。

さらに3回の施術を通して、

* 足関節周囲の腫れや痛みの軽減
* 筋肉・軟部組織のこわばりの軽減
* 足関節可動域の改善
* 片足立ち時の身体の揺れの減少
* 患側で身体を支える能力の改善
* 足首を使ったバランス調節能力の改善

が段階的に確認されました。

3回目の施術後には、初回にみられた大きな身体の揺れはほとんどなくなり、患側の右足で安定して片足立ちができる状態まで改善しました。

今回の変化には、患部だけを施術するのではなく、全身調整と局所施術を適切に組み合わせたことが重要だったと考えています。

当院では、症状が現れている場所だけを見るのではなく、全身の状態、関節の動き、筋肉の緊張、荷重バランス、動作時の身体の使い方まで確認し、一人ひとりの状態に合わせた施術を行っています。

はりきゅう専門 澤田鍼灸院では、柏原本院・難波分院にて、関節の動きや筋肉の緊張、荷重バランス、動作時の身体の使い方まで確認したうえで、一人ひとりの状態に合わせた施術を行っています。

※施術による変化や必要な施術回数には個人差があります。
※骨折や靱帯損傷、手術後の症状については、医療機関での診察や術後管理を優先し、医師の指示や患部の状態を確認したうえで施術を行います。

執筆・施術担当:澤田 侑輝
はり師・きゅう師
はりきゅう専門 澤田鍼灸院 院長

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